舞台美術プランとか劇場スタッフとか、

かつては写真とかもしてきた、松本謙一郎のサイト。


今(2010年〜)はもっぱらツイッター( @thinkhand / ログ )で、ブログとしては更新してませんが。
最近は主にもろもろの告知とアーカイブ、ポータル的編集記事など。

2008年あたりは、割と色々書いてます。






























コンタクトシート

夏に工房(六尺堂)で行われる(アゴラ夏の)ワークショップのチラシ用に、去年撮った記録写真からカットを選ぶ。

デジタルで撮るようになってしばらくたつが、PC上でカットを選ぶという作業にはまだ慣れない。
やはりプリントを並べて混ぜ返すことをしないと、感覚として選びきれない。
一枚を集中して見ることと、全体を俯瞰して見ること、多様な組み合わせで比較してみること、によって見えてくるものがある。
何事も、集中と俯瞰が大事だなあ、と思う。

舞台美術のプランでも同じ。
ベクターなどCAD(図面描画)ソフトで作業していると、細部に意識が依りがちだが、プリントアウトして俯瞰して見ることや、手書きの描線やアナログな感覚を同時に入れることも大事だとよく感じる。
図面を反対返して見たりして検討することもいいと聞いたことがある。
視点を変えて客観的に検討することは大事だ。
アンリ・カルティエ・ブレッソンは、よくコンタクトシートを反対返して構図がしっかりしたカットかどうか確認する、ということを後進を指導する時に行ったという。
デッサンがしっかりしてない漫画家のコミックを、海外出版する際左右反転すると酷いことになる、という話も読んだことがあるが、これも同様のことだろう。

iPHOTO(MacOS10付属のビューワーソフト)とか使えばややコンタクトシート(フィルムをそのまま密着してプリントしたもの。35mmフィルムだと36カット分すべてが小さいフィルムサイズのまま一枚にプリントされる。)に近い感覚で見られるのだが、これは1カット1カットを拡大して見るときに、中央部のピントが甘くなるので、ルーぺでネガチェックするほどには精度を見ることが出来ない。
なので、カラム表示(MacOS10のウィンドウ機能)のプレビュー画像でザっと見ながら、詳細の確認はフォトショップで開いて行ったりしている。
プレビュー画像だとホントに35mmフィルムの原寸、コンタクトシートと変わらない大きさなので細かいことはわからない。
しかし、最低限このくらいの大きさで見ても「よい」とわかるカットでないなら、あまりよいカットではないのだろう。構図がしっかりしていてパンチのあるカットは、小さくても訴求力がある。
モノクロフィルムを自家現像していた時のことを思い出すと、本当によいカットは現像上がったロールを干している段階ですでに違って見えていたものだ。
つまりは、デジタルになってもコンタクトシートでチェックするのとも、基本は変わらないということか。